飲食店を失敗しない、5つのチェックポイント part5

2019年10月6日

飲食店を失敗しない、5つのチェックポイントを確認

前回Part4-2の冒頭で説明しましたとおり、以下が飲食店を失敗なく経営するための、5つの項目です。

1、より多くの人が食べたいと思う料理を提供できること
2、それが美味しい料理であること
3、お店全体でここちよいサービスが提供できること 
4、手ごろな料金であること
5、おおぜいのお客様がお見えになりやすい場所で営業すること

前回にひき続き今回は 、

5、「おおぜいのお客様がお見えになりやすい場所で営業すること」を説明します。

都会の田舎はだめ

・狸や熊しかいない山奥だとお客様に来ていただくのは、かなり難しいことになります。当たり前なことなんですが、実は都会でも一緒のことが言えるんです。

人が大勢行き過ぎる、ターミナルの大きな駅(例えば、新宿、池袋など)でも家賃が安いからと、駅からかなり離れすぎてしまっては意味がありません。

まったく人通りがなくなるほどの、住宅街の裏道の行き止まりとかでは、山奥とまで言わなくても、商売にとっては、ほぼ似たような立地です。

お店を知っていただくのにも、再来店していただくにも、不利になり過ぎます。ひとつ隣の駅の駅近くをねらうとかを、考えた方がいいこともあります。

人通りの観察が重要ポイント

・意外にやりがちなミスが、人が大勢通るように見えて、いい場所だと判断しても、実は学校の通学路で、人は確かに大勢通りますが、問題があります。

実際に通ってるのは、小、中、高校生とか大学生ばっかり、なんてことも学園町なら普通にあることです。

はたして、これから、店のお客様になってもらえるのでしょうか?

業種によっては、ありかもしれませんね。

よく立地を地図で調べ、何日かかってもいいので、自分の足で歩って、自分の目で見てください。

・電車の乗り換えの通り道などでも同じことです。帰路を急いで、次の電車に乗り遅れないように、ただあわてて通るだけの人が多いのは、いくらターゲット層がたくさん通っても、だめな場合が多いです。

都会の田舎状態です。朝晩、現場に立って、時間をかけて、よく観察してください。

自分の目で判断すること

・不動産業者などの悪口になるかもしれないですが、彼らは商売ですから、契約が成立しないとお金になりません。多少不利な立地の物件でも、「やり方しだいで、お客様は来るし、繁盛する。」と言うような、詐欺まがいの話をもちかけてくることもあります。

・もちろん良心的な方々もたくさんいらっしゃって、親身になって相談にのっていただけることもあります。

・ただ、ひとの意見を鵜呑みにしないで、自分の目で人の流れとか、通る人の種類を現実に見て、近所の店にも行って見たりして商売になるかどうか、判断してください。他人の言いなりは、失敗の元です。

飲食の商売は「場所しだい」

・昔から、われわれの飲食の商売は「場所しだい」と言われるくらい、店の場所選びは、大切なことですので、慎重に選んでください。

・悪い立地で開店するくらいなら、やらない方がいいです。余計な苦労を背負い込むだけです。

悪い立地選びは商売の失敗の大きな原因のひとつになります。後から挽回しようにも、取り返しがつかないことの方が圧倒的に多いです。

もし悪い立地で苦労を重ねて、成功させる力量があるんだったら、その力を少しでも良好な場所で発揮したら、何倍もお店が繁盛することでしょう。

しなくてもよい、無駄な努力は最初からやめにしましょう。
とにかく、自分たちのお客様となる人たちが大勢お見えになりやすい場所を必ず選んでください。

まとめ

大変ながらく、お付き合いいただいて、ありがとうございました。

商売を決して失敗しないように、もう一度確認してください。

1、より多くの人が食べたいと思う料理を提供できること
2、それが美味しい料理であること
3、お店全体でここちよいサービスが提供できること 
4、手ごろな料金であること
5、おおぜいのお客様がお見えになりやすい場所で営業すること

これらは、まったくの基本どおりの約束ごとです。必要があれば、記事の該当箇所にもどって、読み返してみて、納得して進んでください。

一般的な傾向として、商売を安易に考え過ぎているようです。

数ヶ月で開業できるチェーン店や、コンサルティングなどの影響もあり、簡単にできるように感じているんでしょう。かなり甘すぎる考えかたです。

間違っても、料理の実戦経験や、実際に安定した飲食店経営の経験もない、悪質なコンサルタントなどに耳をかしてはいけません。お金と時間の無駄です。

マーケティングの知識、技術は重要なことですが、それだけを駆使しただけでは、店を繁盛させることはできません。

その基礎には、しっかりとした料理やサービスの技術と基本的な経営の知識と経験がなければ、意味をなしません。

相談するなら、料理のことなら熟練した料理人に。経営のことなら、安定して長年繁盛されている経営者に相談するのが一番です。

飲食店は技術を売る商売です。技術を習得するのには、一定の勉強期間(修行期間)が必要です。私のまわりを見回して、考えてみると、どんなに天才でも最低2~3年は必要です。

少し時間はかかりますが、しっかりと料理とサービス、経営の基本を自分のものにして、なるべく多くの経験も積んでから、自分の商売に挑みましよう。

どうか確実に実力をつけて本物の料理人として、また経営の経験も積んでから、ご自分の商売をなさってください。あわてることはありません。

ご検討をお祈りします。