「飲食店経営の危機!!借金もあるしどうしよう?」

2020年3月21日

「飲食店経営の危機!!借金もあるしどうしよう?」

現在まさに「飲食店経営の危機!!借金もあるしどうしよう?」というお店が多いと思います。消費税がアップされたばかりなのに、次は新型コロナウイルスですか。社会全体が疲弊し、当然飲食店も大きく影響をうけ経営難に陥ることとなります。

私たちも、飲食店を30年近く経営してきましたので何度も類似のケースは経験しています。特効薬はありませんが、応急処置はできます。実際にわれわれも試して効果がありましたので、ぜひご検討ください。

具体的な対策

「お客様が充分に来てくださらないから、売り上げがあがらない。だから毎月のように出ていく、決められた金額の経費が支払えないし、生活費も残らない。この危機を乗り切るだけの、貯金も充分には準備できていない。」私がちょうどこんな状態を何度か経験し乗り切ってきましたので、こういうケースの対策を考えます。

出費を少なくする

■一定の期間、大家さんに家賃の減額をお願いする。大家さんにも固定資産税の支払いとか、銀行返済とか諸事情がありますが、それは大家さんサイドで考えていただいて、この緊急時にはこの方法が一番効果があります。

大家さんの中には、あなたの家賃が一切入らなくても、生活になんら影響のない人も大勢いらっしゃいます。堂々と交渉してみるべきです。恥ずることではありません。長期間商売をしていれば、こういうこともあります。新米の大家さんには教えてあげたいくらい当然のことです。

■同様にして、大家さんに預けてある保証金や敷金などを一部または全部返還してもらう。けっして不当なお願いではありません。国はおろか世界中が危機にあります。かなりの長期戦になると考えられるので、これくらいのことは当然です。

■借金があるならば、その銀行返済などの毎月の支払い額を少なくしてもらって、その分返済期間を延長してもらう。

■以上のように、大家さんや銀行などと交渉するのが苦手であれば、弁護士を雇うのもひとつです。交渉してもらうと費用がそれなりに必要ですが長い目でみれば安上がりになることの方が多いです。

本当に困っているんなら弁護士費用もお願いすれば安くしていただけるところもあります。お近くの弁護士事務所を何件か当たってみるとだいたい相場がわかります。

仕入れをしぼって損失を少なくして辛抱する。理想の料理はしばらくお預けです。お客さまにもご理解いただいてください。「最高の料理を提供しなければ。」その気持ちはわかりますが、今は少し待ってください。順調に商売が回ってからにしてください。高級な食材の仕入れは、予約など販売の見込みがたっていなければ、抑えた方が賢明です。

売上を増やすように工夫する

こんな緊急時は、客足が極端に減るので売上げを上げていくのはきびしいです。上げられるようにいろいろと作戦を練りつつ落とさないように工夫しましょう。

■食材や料理の質を下げない。先に述べましたが仕入れは少なめに、雑損、廃棄などの無駄のないようにして、その質は落とさないということです。鮮度や素材のレベルを落とすと今までのお客様は遠のいてしまいます。

■こんな時こそたとえ少数でも来店してくださるお客様は、大変有難いものです。お邪魔にならない程度に積極的にコミュニケーションをとって、絆を深めてみたらいいですよ。お店とお客様を超えた人間同士の付き合いに発展するかもしれません。

■あまり先輩風を吹かすのは好きではありませんが、あえていわせていただきます。

暇な時間は、料理・サービスの向上のためにやれることを見つけて、気が付くことはなんでもやってみてください。

・お店はきれいですか。ほこりがたまってませんか。よく掃除をしてください。

・料理の味付けは大丈夫ですか、慢心していないで時にはスタッフと試食してみてください。おかしいと疑問があれば基本に立ち返ってみてください。

■こんなに景気が冷え込んでしまうと、広告宣伝を工夫しても効果はあまり期待できませんが、無理をしない程度にあまりお金をかけずになさったらいいと思います。

SNSなど使いながらブログやインスタ、Twitterなどに「今日は新鮮な魚介類が入荷しました!!」と写真付きでアップしたりなら費用はかかりません。「今日は美味しい春の煮物で、お待ちしてます!!」など平常時と変わらずにやり続けてみてください。何もしないよりは効果は間違いなくあります。

■暇な時間があったら、商売や経営で成功された方々の書かれた本に目をとおしてみたら効果的な対策がみつかったり、商売のやり方で参考になることもかなり見つかると思います。ぜひおすすめします。できれば同業の成功者が書かれたのがいいですね。

「最近短期間で大儲けしちゃいました。」みたいなのより着実に時間をかけてコツコツ商売をやってきた人たちの方が間違いが少なく、参考になることが多いと思います。

松下幸之助、稲盛和夫さんあたりの本はわかりやすく、入門書としても実用書としても間違いないです。読み飛ばすだけでなく、ヒントがあればメモして実行してみることです。ヒントを探すつもりで読んでみてください。そして限りなくチャレンジして失敗もして、その中のわずかな成功を根気よく積み重ねることが大きな成功につながります。

本はなんでもかんでも購入する必要はありません。まずは公立図書館の利用をおすすめします。また、近くに大学があれば近隣の住民に開放している場合もあります。お金をかければいいというものではありません。こんな時期です。出費を極力控えてください。

こんな時こそ基本を大切に

■難しいことですが困った時こそ冷静になってください。あわててみても、イライラしても健康を害するだけです。名案など余計にでてきません。基本に立ち返えり冷静に考えてやるべきことを書き出して、 ひとつひとつていねいに、実行していくことです。

商売の基本 お金を稼ぐことは生活のために欠かせないとても重要なことです。しかしそれは商売の一面でしかありません。たくさん儲けようとか、楽して儲けようとかの考えが先に立つと、商売は上手くいきません。

まずは商売を通じてお客様に心から喜んでいただけて、その幸せに貢献するには、どんな物をつくったり、何をしたりすればいいのかを考え実行する方が先です。そこに適正な利益をのせて販売することが商売です。料理屋さんならば、体にいい、季節感の楽しめる、美味しい料理を提供するのが基本ですね。

販売の価格については、あまりに安売りをしてばかりだと、こちらの生活ができません。いくら高く売れるからと言って暴利を貪っていればいつかは、社会的な非難または制裁に合い、商売が破綻し人間的な面で、家族までもが非難の対象になる恐れがあります。それは絶対に避けなければいけません。それは合法的であっても犯罪に限りなく近い、商習慣に反することです。

マーケティング戦略も大切なことですが、まずはよりよい物やサービスを作り上げることが前提です。巧みな戦略で、いい加減な物やサービスを世の中に提供してもすぐに淘汰されてしまいます。ご自分のお店のおすすめメニューなど、自信をもって提供できる料理なのかもう一度じっくり検討してみてください。

■もう乗り切れないと思ったなら、それ以上無理をしないで一度撤退するのも商売のコツのひとつです。また力をつけて小さな店からやり直せばいくらでも挽回できます。まだ経済的、肉体的にも余力があり精神的にも充実しているならば頑張ってみてください。

■数ヶ月前に書いた記事にも、飲食店を失敗した時はどうしたらいいかについて記事を書いています。特にお店自体に何らかの問題がある場合について書いた記事です。今回の記事と重複している部分もありますが、もう少し詳しく書いていますので参考になさってください。

■その他にも、飲食店経営の失敗から学んだことを記事にしています。特にあまり修行期間なしに開業なさって、経営がうまくいかなくなったケースには参考になると思います。お時間のある時にでもご覧になってみてください。

最後に

以上、知り合いの店も大変困っているところが多いので、取り急ぎ私たちの経験上、過去に試してみて効果のあったことを書いてみました。

くれぐれも無理はし過ぎないようにしてくださいね。人間の体力、気力には限界があります。私は過去に借金を背負って店を一度つぶしてしまった時に、まだ若いからと無理しすぎて体調を崩して、それがきっかけで難病にかかってしまいました。それ以来無理がききません。たぶん一生完治することはないだろうと言われています。つまらないことですね。一つしかない身体に申しわけないことをしたと悔やんでいます。みなさんも気を付けてください。

では、 ご検討をお祈りします。 😊